映画「正体」横浜流星が死刑囚で逃亡犯。違和感あるけど、まぁいいか。来年の大河ドラマも楽しみです!

映画

横浜流星さんの主演映画「正体」を観ました。監督は藤井道人さんです。このおふたりの組み合わせで昨年は「ヴィレッジ」を観ました。閉鎖的な片田舎で生きる横浜流星さんが気の毒で仕方ない映画でした。

2019年公開の「新聞記者」は日本アカデミー大賞で最優秀作品賞、最優秀主演男優賞(松坂桃李さん)、最優秀主演女優賞(シム・ウンギョンさん)を受賞しました。内容も俳優も素晴らしく、結末がはっきりしないところがとても現実っぽく感じられ、日本アカデミー賞3冠のほか、たくさんの映画賞を受賞しました。

でも、前回と前々回よりリアルさがあまり感じられない気がします。横浜さんがイケメンで、性格も良く、運動神経抜群で、頭も良く、人に好かれ、非の打ち所がないのです。

とにかく横浜流星さんの端正な顔立ちに不幸がよく似合います。死刑囚で逃亡犯です。
鏑木慶一(横浜流星さん)は一家殺人事件の容疑者として逮捕され死刑判決を受けますが、脱走に成功します。福田和子や市橋達也のように顔を変え(少しだけ)、居場所を変え、懸賞金もかけられますが、警察に捕まるすんでのところで逃げ続けます。最初と東京での逃亡するシーンが凄いです。普通の人には出来ない荒技だと思います。前半は彼と関わった人の目を通して鏑木という人間が描かれます。

どこかの大規模な工事現場で「ベンゾー」という名前で働いています。髪はボサボサで黒縁めがねをかけ髭をはやし、いつも伏し目がちで猫背です。そこで一緒に働く野々村和也(森本慎太郎さん)と出会いますが、懸賞金のかけられた逃亡犯であることが知られてしまいます。震えながら警察に電話をかけるところで見せる横浜さんの冷徹な表情が怖いです。森本さんは撮影中に後半の出番が増えたそうですが、若い時はさんざんバカなことしてたけど実は性格がいいという役柄にとても役にはまっていたと思います。ドラマ「だが、情熱はある」で山里亮太さん役を演じていましたが、かなり山里さんに似せていて、この人すごく頑張ってると好感を持ちました。
終盤、労働基準法を勉強し始めますが、君なら出来ると言ってあげたいです。

次は吉岡里帆さん演じる安藤沙耶香と出会います。「那須」という名前に変えて、ネットカフェで寝泊まりしながらフリーライターとして働いています。依頼された仕事はいつもきっちり仕上げ、締切りもきちんと守り、安藤からの信頼も厚いです。六法全書を持ち歩いています。
安藤に誘われて那須は初めて焼き鳥屋で焼き鳥を食べます。旨い旨いと言いながら食べるシーンが好きです。私も社会人になって初めて焼き鳥屋で食べた時、この世にこんな美味しいものがあるのかと感動し、同じような状態になりました。高校生の時に警察に捕まったので、社会人らしいこと何も経験していないんですよね。初めてのお酒も野々村に勧められてからです。
安藤は確証はないけど鏑木を信じて逃がします。

そして、寒い地方のケアホームに場所は変わり、鏑木は「桜井」と名前を変え、髪を短く切りめがねをかけて働いています。そこで一緒に働くことになる酒井舞役を山田杏奈さんが演じています。山田さんは「ゴールデンカムイ」のアシリパ役が有名だと思いますが、その前の「山女」の凛役がとっても良かったです。内容も良かったのでテレビと映画2回観てしまいました。
ケアの利用者にいつも優しく接する桜井に舞は恋心を抱き、スマホで景色を撮りながら一瞬桜井を盗み撮りしてしまいます。そしてその動画を若い子らしくSNSに投稿してしまいます。

この事件を追う警視庁捜査一課又貫征吾役が山田孝之さんです。一生懸命仕事しています。ただ、この人の上司の刑事部長川田誠一(松重豊さん)に問題があります。この人のいい加減さで冤罪となってしまうのです。同じような事件を起こした犯人が捕まります。当初模倣犯とされますが、実はこの模倣犯こそ真犯人だったと判明します。

後半は冤罪と戦うことになりますが、弁護士のほかに、逃亡中に出会った野々村、安藤、酒井らが鏑木を支えます。そんなこと現実には無い気がするけど映画だからいいのかな。一家殺人事件の中で唯一助かり記憶を無くしていた人も、最後の最後で記憶を取り戻します。
もし真犯人が2度殺人を犯さなければ、もし鏑木が誰からも好かれず、誰にも知られず、ひっそりと身を隠していたら、彼は死刑囚のままでしょう。
いい加減な捜査で死刑囚にされたのは、刑事部長川田誠一、お前のせいだ!という気持ちになりますが、再審で無罪を勝ち取った鏑木は本当に幸運です。

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