「死んだ人間より生きてる人間のほうが怖い」って、よく死んだ祖母が言っていました。たしかにその通りだと実感する日々です。詐欺に強盗、実家の老いた母が心配でたまりません。どうか神様、詐欺や強盗の犯人が全員捕まりますように。
以前國村隼さんが出ているからと観にいった韓国ホラー映画「哭声/コクソン」がとっても面白かったので、それを期待して観にいきました。
若い女性が飛行機でアメリカのロサンゼルスに向かっています。キャビンアテンダントに日本語で声をかけられます。女性はそれに対して完璧な日本語で返事をしますが、「私は韓国人ですよ」と付け加えるのを忘れません。この日本語が堪能であることが前振りとなっていたことに後で気がつきます。
アメリカに向かった女性ファリム(キム・ウゴンさん)はお祓いを行う巫堂(ムーダン)で、しかも韓国トップクラスの実力派です。アメリカ行きの理由は、親日だった韓国人大富豪が、跡継ぎが代々謎の病気になるので原因を調べてほしいというものでした。ファリムはお墓に原因があるとすぐ気がつきます。
帰国するとファリムは、ベテラン風水師のサンドク(チェ・ミンシクさん)とベテラン葬儀師のヨングン(ユ・ヘジンさん)とファリムの弟子の若い男性巫堂ボンギル(イ・ドヒョンさん)の4人で、人気の無い山の奥に車を走らせます。なぜかキツネがたくさんいます。
陰陽思想のうんちくが語られるのですが、よく理解できず今の時点で全く思い出せません。
山の上に到着すると、こんもり丸く盛り上がった土のお墓があります。土饅頭という形で、そこから向こうの山脈が見えます。小さな墓石の他は何もありません。盗掘を心配してわざとシンプルにしたと親族は言います。
風水師がお墓にいい場所を探し販売も兼ねているそうです。場所によって値段が変わるようで、どの土地を誰に売るかが風水師の腕の見せ所になるようです。
そして先祖代々土葬の風習がある地域では、旧盆に親族総出で草刈りをしてお墓の手入れをするそうです。これはお嫁さん、特に長男のお嫁さんはものすごく大変だとすぐに思いました。
最近の韓国のお墓は、土地の不足と山の維持の大変さから、火葬して納骨堂へ収める方法に変わってきたらしいです。また、核家族の増加や少子化で先祖のお墓管理や維持が出来なくなり、納骨堂に移葬する事も増えているそうです。
移葬は土葬を掘り起こして遺骨を回収し、火葬してから納骨堂に収めます。それを行う専門業者もいて、陰暦の閏月に日取りを決めて執り行います。日にちも極めて重要らしいですがよく分かりません。日本も縁起のいい日と悪い日がありますが、それ以上に気にするようです。
まずは依頼主のお祖父様の棺桶を掘り起こしお祓いと改葬をします。アメリカの病院で死にそうになっていた孫の赤ん坊は何事も無かったように回復します。お祖父様の魂は、まだ生きている妻の元に訪れて別れを告げ、怪奇現象は色々あったけど無事解決します。
韓国では昔から風水信仰が盛んで、邪悪な日帝が穴脈に鉄杭を打ち民族精気を殺したという迷信が信じられていました。日本が韓国を統治していた時代に打った測量のための鉄杭を、金泳三政権が1990年代に国家予算を投じて大々的に鉄杭抜き事業を行いました。そのことは当時日本でもニュースになり、何しているんだかと思った記憶あります。
現代は公的な組織が迷信であると発表していますが、完全に払拭されたわけではないようです。今でも韓国が打ち込んだ鉄杭まで抜いてしまい、後から面倒な事になることもあるようです。
この映画でも、「99%が迷信だとしても、残り1%は・・・」とつぶやくシーンがあります。
そして土の中から鉄杭が発見されます。でも、まだこれで終わりではありませんでした。
怪奇現象は続き、違和感を持った風水師のサンドクは棺桶の下にもう1つ棺桶があることを発見します。これは重葬といい凶とされるものです。しかも縦に埋められています。縦に埋められるのはもっと凶で、これは最も大凶な埋葬の仕方らしいです。
顔と多分体にもお経を書いた風水師と巫堂たちは掘り起こし棺桶を開きます。すると突然黒い大きなものが飛び出してきます。次第に姿を鮮明にする黒く大きな影は、兜を被り甲冑を身につけた日本の戦国武将でした。
巫堂たちはそれを「鬼になった」と言います。鬼は日本語で仰々しく威厳たっぷりにしゃべります。それに日本語で答えるファリムたち。ここで日本語に堪能であることが生かされます。
鬼は関係者を血祭りにし、鬼と巫堂の戦いになります。巫堂のファリムは妹と母親も巫堂です。彼女たちの協力のもと必死にお経を唱え鬼を退治します。
口コミでは反日映画と言われていたようですが、落ち武者を圧倒的に大きくして、威厳もあるように描かれ、反日はあまり感じませんでした。むしろリスペクトしているように感じたのですが、どうでしょうか。私は異国の地で鬼にされてしまった戦国武将が哀れに思えます。
なぜ?というシーンがいくつもありましたが、面白かったので、いいですけど。
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