映画「ナミビアの砂漠」特に大きな事件は起きないけど、すっと観ていられる河合優実の魅力。だけど映画のラストシーンが思い出せません。

映画

ずっと前から待っていた河合優実さん主演の映画を観ました。

主人公カナは脱毛エステで働く21才。

ハンサムで経済力もある優しい彼氏ホンダと同棲しています。ただ、カナはホンダに物足りなさを感じているみたいで、ハヤシという男と浮気を楽しんでいます。

そんなカナについて。

まず、基本的にだらしないです。歩き方も生活もお酒の飲み方も恋愛も普段着も働き方も全部だらしなく、口は悪く、無気力で、横暴で、恋人に暴力をふるい、嘘つきで意地悪です。

盛りのついたメス猫みたいに、ホンダからハヤシに乗り替えます。

ホンダと同棲を始めますが、自宅で動画編集の仕事するハヤシに”かまってちゃん”が暴走し出して喧嘩が絶えなくなります。

ホンダが隠し持っていた胎児のエコー写真を発見してから、それは更にひどくなり、まるで自分が被害者かのようにホンダを責め立てます。

復縁をせまる元カレに「あんたの子を中絶した」と嘘をつき、更に悲しみのドン底に突き落とします。泣き崩れる元カレをひとり残し、去りながら「へんな男」とつぶやく非情さに耳を疑います。

カナはホンダと喧嘩した後アパートを飛び出し階段から落ちて、暫しの間車イス生活になります。まるで王様みたいな振る舞いに、気の毒な気持ちは1ミリもわきません。

こんな意地悪なカナですが、ホンダとハヤシが夢中になってしまう魅力があるのだから仕方ありません。

仕事に復帰しますが、お客に「うちでは永久に脱毛できない」と言ってしまい、仕事をクビになります。

さすがにこれはまずいと思ったのか、カナはオンラインの精神科か心療内科を受診し、躁うつ病と診断されます。そして、カウンセリングに通い出し、色々会話を重ねていきますが、家族の事を聞かれると言葉に詰まり一言も発しなくなります。

考えてみえばまだ21才。私もこんなだらしない生活の記憶があります。だらしなさの余韻はまだ現在も少し残っていますが、それなりの初老になりました。

映画の終盤、カナはピンク色の部屋に置かれたランニングマシーンで走りながら、自分たちの取っ組み合いの喧嘩をモニターで見るというシュールな展開になります。夢か妄想の中で隣の住人の女性ひかりが現れ、ふたりは「キャンプだホイ♪」と歌いながら、キャンプファイヤーを飛び越えていくのです。

不思議な感覚です。なぜ?これは精神疾患の表現? 

隣人のひかりは警察に通報されてもおかしくないレベルの喧嘩をしていながら、黙ってくれていたやさしい人。カナに「分かるよ」と声を掛けてくれた人です。

よく我慢していたと思います。あんな騒がしい隣人に笑顔を見せられるでしょうか。逆に不気味です。

そうこうしてるうちに映画が終わってしまい、ラストシーンが思い出せません。

監督と脚本は山中瑤子さん、本格的な長編は初めてということですが、第1作にしてカンヌ国際映画祭で「国際批評家連盟賞」を受賞しています。

こんなにも大変な主人公を作り出した山中さんと河合さんは凄いです。

主なCAST
カナ:河合優実さん
ホンダ:寛一郎さん
ハヤシ:金子大地さん
ひかり:唐田えりかさん

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#ナミビアの砂漠 #河合優実 #山中瑤子