アニメ映画「Flow」米アカデミー賞長編アニメ賞受賞作。言葉も字幕も擬人化も一切無し。動物たち大洪水から生き残れ!

映画

猫好きの私にとってこのアニメ映画は最高に楽しめました。
擬人化は一切無く、動物たちの姿もそのままです。声はその動物の声のみ。主人公の猫の声優はMiutちゃんという女の子で、サウンドデザイナーの飼い猫です。映像は美しくリアルで、ファンタジックでもあります。

主人公は好奇心旺盛な若い猫ちゃん。ダークグレーの毛並みと目と耳の大きく可愛いです。
その土地は木々や岩は動物の形をしていて、遠くにそびえ立つ岩山は猫の形をしています。ついさっきまで人間が住んでいたかのような一軒家を寝床にしています。人間は最後まで1人も登場しません。

突然大洪水が起ります。
洪水といっても大波がザブーン!という感じではなく、スルスルと水が近づいて、どこまでも追いかけてくるという怖さのある洪水です。
猫は逃げて逃げて、遠くに見えていた猫の形をした岩山のてっぺんにまで追い詰められます。もう逃げ場がない!という時に、ボートがユラユラと流れてきます。慌ててボートに乗り移ると、そこには一匹のカピバラがいました。

関係ないけど、カピバラには苦い思い出があります。
数年前動物園で「触っていいカピバラ」に出会いました。触っていいとカピバラは言っていないので、勝手に飼育員が触ってよいとしたのでしょう。そのカピバラは微動だにしません。生きているのに剥製を触っているようでした。まるで心を無にして耐えているかのようで、なんだか申し訳ない気持ちになったことがあります。

この映画のカピバラは穏やかな性格でマイペース。このボートには他にも動物たちが乗り込んでくるのですが、誰とでも仲良くし、とっても良い奴なのです。こんな人がいたらグループで何かする時、皆を支えてくれて、とっても頼りになるでしょう。

続いて犬、キツネザル、ヘビクイワシが乗り込んできます。
理由は様々です。性格も様々です。キツネザルは収集癖があり、なんだか人間ぽいです。ヘビクイワシはリーダー的存在ですが、ボール遊びの好きな犬のボールをわざとボートの外に蹴ったりして、少々意地悪なところもあります。

洪水はいっこうに収まる気配もなく、どこから水が流れ込んでいるのか分かりませんが、どんどんボートは流れていきます。誰もいない神殿のような場所を通過し、いったいどこまで行くのかも分かりません。色鮮やかな魚たちがたくさん泳いでいます。

小さなもめ事も起りますが、この一大事になんとか生きのびようという気持ちは一致しているようです。

猫がボートから落ちて深く水の中に落ちていくシーンがありますが、どこまでも深く落ちていき、ひょっとしてここは海なのか?マリアナ海溝か?と思いました。
ずっと洪水の水だと思っていましたが、海かもしれません。この後クジラが出てくるのですから。
猫は水中深く落ちていったり、ヘビクイワシに捕まり空高く飛んだり、縦横無尽です。

やがて洪水は急激に引いていくのですが、こんなにも自然が変動するなんて。私は「ノアの箱舟」を連想したのですが、舟に乗っているのは猫、カピバラ、犬、キツネザル、ヘビクイワシですから、多分違うでしょう。

魚たちがたくさん泳いでいるわりに動物たちの数は少ないです。洪水が起る前、カモシカの大群がどこかに走り去っていきます。ヘビクイワシの群れもどこかに飛び去ります。ボートに乗っていた一羽のヘビクイワシも後から飛び去ります。
もしかしてこの世界は滅びていく途中のような気がします。

残された動物たちはこれからどうするのか。協力していけるのか、元々違う種なので別れるのか。
幸福なのか悲劇になるのか何も分かりません。ただ洪水は引いて大地に戻されただけなのです。

なんだか悲しくなってきました。生きるってやっぱり大変です。
でも、生まれたからには生きなくてはなりません。

監督・脚本・音楽はラトビア出身のギンツ・ジルバロディスさんという方です。
米アカデミー賞以外にもたくさんの賞を受賞しています。

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