加古隆さんの「映像の世紀コンサート」に行ってきました。

その他あれこれ

7月3日サントリーホールで行われた「映像の世紀コンサート」にいってきました。

NHKの番組で作曲家・ピアニストの加古隆さんを知り、私にとって2度目のコンサートになります。
前回はカルテットでしたが、今回はオーケストラで、映像とナレーションも付きます。どんな風になるのか楽しみにしてきました。

オープニングは「パリは燃えているか」です。何度聴いても、やっぱりいい曲です。ずっと聴いていたい気分です。
オーケストラの奥に大きなスクリーンがあり、そこに小さな光が当たります。その小さな点がみるみる大きく四角形になり、何かがうごめいています。

1890年代のフランスのリュミエールが撮影した映像でした。「工場の出口」という初めての実写映画でした。また、汽車がカメラに向かって走ってきます。
初めてそれを見た観客は、大変驚いて、あわてて劇場から逃げ出したらしいです。ナレーションの山根基世さんが伝えてくれます。
1902年には初めてのSF映画「月世界旅行」が公開されます。人間の顔をした月にロケットが突きささるアレです。全部は見たことありませんが、映画の歴史かなんかで必ず見る名シーンです。

でも、楽しいのは、ここまでです。ヨーロッパの王朝が衰退し、第一次世界大戦が始まり、終わりますます。
ヒトラーが登場し、第二次世界大戦が始まります。映像は、塹壕を掘る兵士たちや、負傷した兵士を背負いほふく前進する兵士、ドレスデン爆撃でがれきだらけの街。アウシュビッツが解放され、ガリガリに痩せた男性が全裸で歩いています。
日本の映像も流れます。東京大空襲の後の焼け野原、神風特攻隊の飛行機が飛びだつシーン、地上では一列に並び帽子を振って見送りします。
アメリカ側から撮影した映像では、戦艦からの攻撃にあい海に突っ込む戦闘機の様子が映されています。そして、2度の原爆を上から撮影した映像。

時折入る打楽器の一定したリズムが、終末時計を思わせます。
予期せぬシンバルの音に心臓がビクリとします。
となりに座る女性の深いため息がよく聞こえます。悲しくて涙がこぼれそうでした。だれか泣いているのか鼻をすする音がしました。

やっと第二次世界大戦が終わったと思ったら、今度はベトナム戦争です。フィルムはカラーになりました。
泣いている子どもたちの映像、親はどこに行ったのでしょうか。生きていると良いのですが。
少女の頭に拳銃を突きつけるアメリカ兵。紐で首が繋がれ1列に歩くベトナム人。アメリカ兵の顔がアップになります。なんて若い男性!まだ幼さが残っています。
森林を焼き尽くすナパーム弾。ベトナム戦争は幾人もの戦場カメラマンが入り、たくさんの写真、映像が残されています。
ヒッピーのカラフルなファッションと反戦運動の高まり。アメリカ、フランス他、日本でも反戦運動が起こり、その時の新宿の様子がスクリーンに映しだされます。

ガザやイスラエル、シリアの映像も映し出されます。
子どもの時は、国際結婚が増えれば戦争は無くなると思っていましたが、ますます増えて、大量殺戮の武器も開発されて、この先いったいどうなるのでしょうか。

戦争時の死なんて、わたしが小バエをたたき潰すのと同じくらいの軽さしかないのでしょうか。

平和な部屋の中で、ずっと続く戦争を憂えて、ブログを書いています。

ロシアも中国も広い国土があるのだから、それで満足してください。
自分の国に他の民族がいたっていいじゃないか。宗教が違ったっていいじゃないか。多様性の時代なんだから認めてあげようよ。
いろいろ文句はあるけど、取りあえず一旦武器を置いて話し合おうよ。

戦争以外にも歴史を作ってきた大勢の人々。ライト兄弟、ジョン・F・ケネディ、マリリン・モンロー、チャーチル、ガンジー、初の月面着陸アポロ11号、名も無い人々、死体となっている人々。
美しい音楽と共にスクリーンに映し出されます。

大きなスクリーンの映像とオーケストラの演奏の合体が素晴らしく、休憩10分挟んでの2時間、集中が途切れることなくとても楽しめました。

最後は青い蝶々が鱗粉をまいて飛びたつシーンで終わります。

出演

 指揮:秋山和慶
 ピアノ:加古隆
 ナレーション:山根基世
 東京フィルハーモニー交響楽団

曲目

  パリは燃えているか
  時の刻印
  シネマトグラフ
  はるかなる王宮
  神のパッサカリア
  最後の海戦
  未来世紀
  大いなるもの東方より
  マネーは踊る
  狂気の影
  黒い霧
  ザ・サード・ワールド
  睡蓮のアトリエ
  愛と憎しみの果てに

アンコール

 風のリフレイン
 グラン・ボヤージュ

↑演奏が始まる前の様子

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#コンサート #加古隆 #映像の世紀 #パリは燃えているか