高校を卒業して事務の仕事につきました。親が希望したからです。
両親とも工場で働いており、特に母親が希望しました。
高校時代の私は荒んだ心でもう死んじゃおうかっていう時でしたので、自分の好きな事を勝手に諦め、安易に就職してしました。
30代半ばで事務仕事は向いてないと思うようになりましたが、何の仕事が出来るか分からず、いくつかの会社で事務一筋60才まで続けてしまいました。
失敗ばかりでしたが、時代についていけるよう、それなりに努力しました。
休日はパソコンスクールに通って、ワードやエクセルを一通り勉強しました。
メールの文章も変じゃないようにビジネスメールの本を買いました。
でも、間違えてばかりで、怒られてばかりで辛くて、今はお仕事休憩中です。
なんで私は一生懸命頑張ってきたのに上手くいかないんだー!!と嘆いてみても仕方ありません。
要するに私は事務能力が足りないんだと思います。
そんな私が事務に対する思い。
最初はその気じゃなかったのに、だんだんその気になって、愛されていないと気づいて、でも頑張ってみたけど無理だった。
そんな気持ちです。
面倒で、いつも「しまった!」と言わされて、頑張ってようやく終わった締切り日。完了していい気分にさせられます。
なぜ事務はこんなに私を悩ませるのでしょう。
そんな気分でこの本を発見し、もしかしたら何か答えが見つかるかもしれない、私の癒やしになるかもしれないと思って買ってしまいました。
最後まで読みましたが、なんだかよく分かりません。癒やされません。
こう書かれています。
『イヤだ面倒だと言いながらも、密かにその魅力に取り憑かれ、事務帝国の繁栄を喜んでる』
事務に悩まされるのは私だけではなく、多くの人が悩みながらもその魅力に取り憑かれていると知りました。
そして、たくさんの作家や学者や著名人が事務をどう捉えていたかの考察が書かれています。
夏目漱石がーーー、ディケンズがーーー、三島由紀夫がーーー、西村賢太がーーー、小川洋子がーーー。
このように事務を捉えていたりーーー、囚われていたりーーーー。
<難しいので省略します>
私の文学の知識が乏しいので分からないのだと思います。
今度三島由紀夫を読むとき思い出すことにします。
私がもっとも気に入った箇所を書き出してみました。
「事務的なるもの」の7つの特性(大まかに記載してます)
1.形式・・・・・・・・・こだわり
2.注意・・・・・・・・・形式を守る能力
3.時間・・・・・・・・・物事をルーティン化する
4.情報共有・・・・・記録と整理に大きなエネルギーを割る
5.もの・・・・・・・・・もの自体で産業を形成し富を生む
6.権力・・・・・・・・・「つじつま」が合うことが至上命令である
7.負の要素・・・・・実態と乖離する
1から7を踏まえて「本来の合理性の非合理性への転落」こそが、事務の奇妙な魅力とあります。
情報共有のため皆に書類を添付したり、とりあえず添付を開いてみたり。
同じ書類をPDFで保存して紙でもファイリングしたり。
紙の資料を人数分作ってみたり。
これ本当に必要なのかなって思う時もありましたが、私は何も言いません。言われた通り間違えないようにやるだけです。
間違えないように正確こそが私の使命でしたから。
著者は阿部公彦(まさひこ)さん。
たくさんの作家さんが登場しますので、本好きな方にはおすすめです。
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