「ゴールデンカムイ」 俺は不死身の杉元だ! 「カラオケ行こ!」  歌がうまなるコツ、教えてくれへん?

映画

「ゴールデンカムイ」

我が家には私が物心ついた時から絵本百科事典という本があり、最初のページは見開きでアイヌについてでした。
大勢の人々が伝統的な図柄の着物を着て、男は毛深くひげを生やして、手には棒を持って1頭の熊を取り囲んでいます。

熊送りという祭りの説明があったような気がします。

最初のページなので印象に残っています。
でも、アイヌの人々はどうしているのか分からないままでした。

この映画は日露戦争で生き抜き「不死身の杉元」と名付けられた元軍人の杉元佐一が、北海道の大地で金塊を探すという話しです。
杉元がヒグマに襲われたところをアイヌ人の少女「アシリパ」が助けます。
アシリパはアイヌが蓄財した金塊を奪った男に父親を殺されており、その仇討ちのため杉元と行動を共にします。

杉元のほかにも大日本帝国陸軍第七師団の鶴見篤四郎中尉と生きていた新撰組の土方歳三がそれぞれの野望実現のため金塊を探していました。
そして三つ巴の戦いがスタートします。

原作のマンガは昨年完結したらしく、累計2700万部、数々の賞を受賞しています。夫も原作のファンでした。
撮影は相当大変だったと思われます。
日露戦争のたくさんの兵士達と銃撃戦、大雪原の中で大きなヒグマに襲われる場面、CGも凄いの一言です。

映画にはアイヌ人の生活様式や自然と共存した生き方も描かれています。
2019年に日本はアイヌ民族を先住民と規定し、2020年7月に国立アイヌ民族博物館が出来きました。
日本はアイヌ民族に対してずいぶんと差別したようで、アイヌに関する記事を読んだりネットを検索したり、知れば知るほど悲しくなります。
子どもの時に思った「どうしているのか」は、苦難を乗り越えながら生きてきたということでしょうか。

アイヌに関する表現は丹念に調べ制作されたそうです。
アイヌの差別や偏見にさらされてきた歴史について、土地や資源を奪ったこと、権利を制限したことを、私達はもっと知らなくてはならないと思います。

映画はまだまだ続きそうで、私は「キングダム」シリーズと「ゴールデンカムイ」シリーズ、交互に見ることになりそうです。
主演は山崎賢人さん、アシリパ役は山田杏奈さん、監督は久保茂昭さんです、原作者は野田サトルさんです。
少女とは思えないほどしっかりと自分の信念を持つアシリパさんが魅力的です。
山田杏奈さんは昨年観た「山女」の演技も素晴らしいものでした。

「カラオケ行こ!」

これもマンガが原作で作者は「和山やま」さんです。
このマンガが面白いという紹介記事で、最初「夢中さ、君に。」でドはまりしてしまい、
「カラオケ行こ!」「女の園」1巻~3巻と、最近は「ファミレス行こ!」を書店で見つける度買っています。
そして「カラオケ行こ!」の映画化!今回も楽しみに行ってきました。

合唱部部長の男子中学生が、突然カラオケに行こうとヤクザに強引に誘われ、しかも歌唱指導するというストーリーです。
また中学生達の思春期の心の揺らめきも描かれています。

合唱部の部長「岡聡実」(齋藤潤さん)は、変声期を目前にしてソプラノが歌えなくなるのではと暗い気持ちになっています。
祭林組若頭補佐「成田狂児」(綾野剛さん)は組のカラオケ大会で、どうしてもがXJAPANの「紅」を歌いたいと思っています。

組長がカラオケ好きなため年4回のカラオケ大会が催され、歌ヘタ王には手の甲にキティちゃんの刺青が彫られるというルール。
組長自らが刺青を彫りますが、まだ初心者なので、キティちゃんが化け猫にしか見えないというオチです。

それを免れたく狂児以外のヤクザ達が聡実に教えを請うのですが、聡実は怯えながらも次々にダメ出ししていきます。
頑丈そうな男たちに「終始裏声が気持ち悪いです」
「ビブラートの癖が強すぎます」
「体力つけてください」
「声が汚いです」
「うるさいです」
「カスです」と厳しい指導をし、しかも勝手にチャーハンを注文したりしています。
ヤクザに逆ギレされると狂児の背中に隠れたりしてちゃっかりしています。

聡実君のメンタルが分かりません。

次第に二人に奇妙な友情が芽生えてきます。でも、聡実の思春期のイライラが爆発してしまい、狂児に当たり散らしてしまいます。
ヤクザに自分のイライラをぶつけるなんて、世間知らずの恐い物知らずです。結局、狂児が優しいので甘えているのでしょう。

出演者の方々も皆さん役にはまっており、とっても満足です。
特に「映画を見る部」の栗山君、合唱部の和田君、副顧問のももちゃん先生役の芳根京子さん、狂児の母親役のヒコロヒーさんが良かったです。

最後のシーン、聡実がXJAPANの「紅」を歌うシーンは感動的でした。綾野剛さんの狂児役はとてもチャーミングです。

聡実と狂児の奇妙な友情物語のような現実には有り得ない、儚いファンタジーです。

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