映画「死に損なった男」ヒューマン・コメディー・ホラー。水川かたまりさん初主演！変わらない日常だけど少し前向きになれる映画です。

最近の話しですが、夜10時半頃母から「（弟の名前）が血を吐いてる！」「救急車で今から総合病院に行く！」と慌てた声で電話がありました。私も慌てて支度をしタクシーで病院に向かいます。母は86才の高齢で足が悪いので、弟も心配だけど母も心配です。一番悪い事を考えて、つい泣いてしまいます。

病院に着くと母がひとりで待っていました。母から話しを聞くと、弟がめまいでトイレでゲーゲー何度も吐いていて、それが小豆色していたので救急車を呼んだということでした。
検査が終わり、中に案内されて3人で待っていると、医師が現れて「この指何本に見えますか？」「顔を動かさずに目だけで指を追って下さい」と言います。弟の目は細くていつも起きてるのか寝ているのか分からないような目なので、医師の要望に応える事ができません。「もっと大きく目を開いて下さい」って何度も言われています。思わず私が指で広げましょうかと口を挟むと「それでは意味ないんで！」と強い口調で注意されてしまいました。忙しいからついイラッとしてしまったのだと思います。

脳に問題は無くどうもはっきりした原因が分からないので、耳鼻科の受診を勧められ、その後回復したので帰宅しました。私が家に戻ったのは朝方3時半でした。

本当に大事にならず良かったです。もし家族が死ぬようなことがあれば、自分が死ぬより辛いと思いました。

この映画の主演は空気階段の水川かたまりさん。キングオブコント2021年の優勝者です。私はずっと「みずたまりさん」だと認識していて、本当の名前は「水川かたまりさん」とようやく知りました。2021年のコントは当時見ていて本当に面白かったし、出来栄えに感心しました。ドラマ「罠の戦争」に出演していたのを拝見しましたが、今回は「初主演」です。キングオブコントの優勝者が映画初主演って、とっても楽しみです。

構成作家の関谷一平（水川かたまりさん）は、どうも疲れた様子で覇気が全くありませえん。駅のホームの先端でつま先だけ出して電車を待っています。私がもしこの人を見かけたらそっと袖をひっぱり「危ないですよ」と声をかけてあげたいです。

でも、隣の駅で人身事故が発生し電車はストップします。一平は死に損なったというか、命びろいします。

ところが隣の駅で亡くなった男の幽霊が現れ、一平に憑いてしまいます。男はえんじ色のジャージを着た中年男性の森口友宏（正名僕蔵さん）。その森口は元国語教師で、DVしてた元夫のストーカー被害に遭っているひとり娘が心配のあまり成仏できずにいたのでした。幽霊になった森口はとんでもないことを言います。「娘につきまとっている男を殺せ！さもなければ、一生憑きまとう！」

今回この方の名前も初めて知りましたが、ドラマや映画によく出ていらっしゃいます。今回の役もいかにも元国語教師のうっとうしい感じで、そのうえ「殺せ殺せ」としつこいです。
仕方ありません。森口の姿は他の人には見えず、口は達者でも何も出来ないのですから。

元夫役はゴールデンボンバーのギタリスト喜矢武豊さんです。最近は俳優としても活躍されているようです。

森口の娘役は唐田えりかさんです。撮影は極悪女王のすぐ後とのことで、鍛えた身体がヨガインストラクターという役柄にとっても合っています。

一平はお笑いコンビ「ピラティス」のネタも書いており、ライブの日が迫っているのに、森口の幽霊が居座っているせいか、まだいいネタが書けていません。

運動神経の無さそうな一平が、はたして森口の依頼を果たすことが出来るのか。
でもそんな理由で人殺しは出来ません。いったいどうするのか。
お笑いライブ用のいいネタが書けるのか。
森口の娘との関係はどうなるのか。
幽霊は成仏してくれるのか。
そもそも森口は何で死んだのか。
というストーリーです。

根っからの悪人は出演していません。青春ドラマのような爽やかな結末です。

監督は田中征爾さんです。